ホレス・シルヴァー(Horace Silver)作曲 1956年
僕が初めてこの曲を聴いたのは大学入学直後。
18の頃といえば、すでにドラマーで食っていく決意をし燃えていたが、暗やみを突っ走っているような不安と戦うまいにち。
そして、自分がたよんないのを熟知していた私は「再教育してくれる女性」を探し求める日々を送っていたのであった。
何もつかめず、そして自分が何者かも全く分かっていなかったあの頃。
そんな状況でのこの曲との出会い・・・切なさで胸が張り裂けそうになりました。
それはもう、ショックに近い感じ。
たちまち「ニカズドリーム」の虜になりました。ジャズという音楽に興味を持ったのもこの曲が大きなきっかけと言っていいです。
なにを歌っているのだろう?
悲しき恋か?
もちろん、後で知ったがそうではない。だが、ニカという人物は、ジャズやその演奏家たちを愛し、世間に広めようとしていた。
ご存知の方も多いと思うが、ニカさんは大富豪。つまり、精神的経済的に、ジャズミュージシャンを保護し、ジャズを盛り上げようとしてくださったのである。
その方をたたえた歌なんですね。
それにしてもホレス・シルヴァーという人は、キャッチーな曲を書く人だ。
ジャズ特有のひねくれた感じがほとんどない。わかりやすい。
メロディーの全てが全部いい。
とくにサビの最後などは「それそれそれ!!」と唸ってしまうピックアップ。
こちらはディーディーさんの歌詞付き。平易な英語でわかりやすい。
他にもたくさんの名演があります。
フィルウッズはロイシな演奏。ラテンの部分はサンバっぽく演奏してますね。